幸せを望んでもがく
男と女の狂おしい真実の姿

1969年、中国と台湾が対立していた時代。砲撃が降り注ぐ攻防の最前線だった島に配属された台湾青年兵ルオ・バオタイ。エリート部隊に配属されるも、カナヅチであることが判明し、「特約茶室」を管理する831部隊で働くことに。そこは「軍中楽園」と呼ばれる娼館だった。事情を抱えて働く様々な女たち。どこか影のある女、ニーニーと出会い、奇妙な友情を育むバオタイ。男たちに愛を囁く小悪魔アジャオとの未来を夢見る一途な大陸出身の老兵ラオジャン。過酷な現実に打ちのめされた若き兵士ホワシンは空虚な愛に逃避する。ある日、バオタイのもとに純潔を誓った婚約者から別れの手紙が届く。その悲しみを受け止めてくれたニーニーにやがて惹かれていくバオタイだったが、彼女が許されぬ「罪」を背負っていると知り...。

戦いの最前線だった小さな島で、40年間公然の秘密とされた“楽園”
歴史的背景をベースに男女が紡ぐ倫理を超えた悲哀の叙情詩

台湾の巨匠『悲情城市』のホウ・シャオシェンが完成を望み編集に協力した本作の監督は、『モンガに散る』のニウ・チェンザー。戦後の台湾で40年にわたり公然の秘密であった実在の娼館を舞台に、不条理な運命に翻弄されながらも幸せを望んでもがく男と女の甘美で残酷な真実の姿に迫る。要塞化された島「金門島」の地下運河や坑道、当時の街並み、軍が運営した娼館の様子など時代背景を綿密にリサーチし大規模セットで再現。さらに、鮮やかな色彩感覚で匂いたつ色気と耽美な世界を作り上げている。

複雑な歴史を真摯に描き圧倒的リアリティでエンターテイメントに昇華させたことが世界でも高く評価され、第65回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に出品、第19回釜山国際映画祭オープニング作品に選出された。そして、争いの歴史の狭間で、家族に会うことも叶わなかったニウ監督の父の姿を投影したかのような老兵ラオジャンを、深みをもって演じた中国人俳優チェン・ジェンビンが、第51回金馬奨最優秀助演男優賞を受賞。最優秀助演女優賞には、穢れた日々を過ごしながらも凛とした透明感を纏う演技で観客を魅了したレジーナ・ワンが受賞している。

Director

監督、脚本、エグゼクティブ・プロデューサー:
ニウ・チェンザー

1966年、台北に生まれ、9歳で演劇を始める。1983年、ホウ・シャオシェン監督の『風櫃の少年』の演技で金馬奨に最年少ノミネート。その後も俳優として映画やドラマに出演し、2000年から演出家としてテレビドラマを手掛ける。映画監督デビュー作となった『ビバ!監督人生』で、金馬奨 FIPRESCI賞およびロッテルダム国際映画祭NETPACK賞、台北映画祭最優秀男優賞、最優秀女優賞、観客賞を受賞する。2010年、監督、俳優、脚本をつとめた2作目の長編映画『モンガに散る』では、80年代の台湾を舞台に10代のギャングの姿を描き、その年最高の動員興行記録を達成。3作目の長編『LOVE』も、台湾および中国本土で人気を博し、興行収入3300万米ドルを達成した。

Cast

イーサン・ルアン/ルオ・バオタイ役

1982年生まれ。モデルとしてキャリアをスタートし、テレビドラマ出演を目指すが、才能の片鱗を見せながらも長い間ブレイクに至らなかった。しかし2008年にテレビドラマ「ハートに命中100%」に出演したことが転機となり、一躍、人気俳優となる。さらに『モンガに散る』のモンク役で、第47回金馬奨最優秀主演男優賞を受賞し、演技力の高さを知らしめた。その後もますます注目と称賛を集め、映画出演オファーが引きも切らない。

レジーナ・ワン/ニーニー役

上海戯劇学院にて演技を学び、2006年のデビュー作『Mi Ling 1949(中国語題:密令1949)』で注目を集め、その後多くのテレビドラマに主演。映画『Christmas Rose(中国語題:聖誕玫瑰)』での演技が高く評価され、テレビドラマ『Raising Children is Hard(中国語題:小兒難養)』で、上海テレビ祭モスト・ポピュラー・スターズにノミネートされた。本作で第51回金馬奨最優秀助演女優賞を受賞。

チェン・ジェンビン/ラオジャン役

テレビで活躍する回族(少数民族のひとつ)の中国人俳優。2010年のテレビドラマ「三国志 Three Kingdoms」の曹操役で一躍有名になり、この役で2011年にソウルドラマアワードで最優秀演技賞を受賞した。2011年にはテレビシリーズ「宮廷の諍い女」で皇帝役を演じ、中国のゴールデン・フェニックス・アワード最優秀演技賞を受賞した。本作で第51回金馬奨最優秀助演男優賞を受賞。

アイビー・チェン/アジャオ役

1982年生まれ。台湾の若手の中で最も人気があり、評価されている女優の一人。多くの映画、テレビドラマ、テレビCM、ミュージックビデオに出演している。2010年には『聴説』での演技で台北映画祭において最優秀主演女優賞を受賞。

北海道

北海道
札幌シアターキノ011-231-93552018年6月30日〜

東北

宮城県
フォーラム仙台022-728-78662018年7月6日〜
山形県
フォーラム山形023-632-32202018年7月20日〜

関東

東京
ユーロスペース03-3461-02112018年5月26日〜
東京都写真美術館ホール03-3280-00992018年6月23日〜
神奈川
横浜シネマ・ジャック&ベティ045-243-98002018年5月26日〜

中部・北陸

長野
長野相生座・ロキシー026-232-3016近日上映予定
愛知
名古屋シネマテーク052-733-3959近日上映予定

近畿

大阪
シネマート心斎橋06-6282-08152018年5月26日〜
京都
京都シネマ075-353-4723近日上映予定
兵庫
元町映画館078-366-26362018年6月23日〜

中国・四国

岡山
シネマ・クレール丸の内086-231-0019近日上映予定